No.278 バッテリードライブ真空管プリアンプ
   403A 396A      製作 ラインアンプ編
 
  
2020.07.14
         ph7の備忘録

 



上図 ウエスタンエレクトリック データーシートから模写


とりあえずラインアンプ

このラインアンプ シンプルで低圧でWE真空管で 気になっていた
昔(25年以上前) 金田先生はWEの音は聴いてみるとその良さがわかると話されていた
パワーアンプでも使いたい 421もストックしてある なかなか製作できないまま時間だけが
そのような訳でまずはプリアンプで聴いてみることに


A ■±28Vで基本的な調整もせずに
まずはいつものようにある程度動くか大まかな確認のため電源を入れたらこのようになった




 TR1.2の損失で熱が気になるという内容がネットで見かけたがそれほどでもない
触った感じでは 60℃ 前後と思う (その後計測する70℃前後)
数秒触っていると熱く感じる いつまでも触っていたくない程度 
この温度なら損失が150mW強まで低下する
ヒーター用レギュレーターの放熱は以下のものを付けている
今の所6.3v0.5A喰っているがEQも追加すると1Aになる
0.5Aをシリーズにすれば電圧を12.6vにする それならこのままのヒートシンクで足りる

上図は https://www.lex.co.jp/product/catalog/heat-sinks4/small.html から引用

 最近使われだしたレギュレータ
 2389の方は2W取れそう 実際の使用時は2Wまでは無理 下のTO-220を付けると2387の例から見ても4W以上に耐えるから10V入力6.3V出力なら行けそうだ
なにしろ入出力間電位差が0.2vと驚異的 損失も低く抑えられる どちらかと言えばバッテリー電源向き




            上図は Nisshinbo Micro Devices データーシートから引用

とりあえず動かす
±28Vで動かしてみる Rコアトランスが整流後32V-0-32Vのためレギュレータで4Vほど入出力差が発生するからだ ヒーターは0.5A喰うから写真の放熱器を付した 0.5Aでも放熱器なしではきつい 金田先生はNJM2389Fの説明にて0.5Aなら不要と記述しているが?
SAOCの動きが緩慢だ 当初2SK170V(Idss13.5mA)を使ってNo.272のダイオードでTRのベース電圧を固定する方法が良いかと思い採用したがどうもうまくない

TR3の負荷抵抗だが可変抵抗器は0Ωにて130mA程度終段に流れる 電圧が28Vのため少し少な目だ
T1のカソードは0Vに近い電圧で負荷抵抗両端の電圧は6V弱となる

No.219チャンネルフィルターアンプに繋いで見るがDCオフセットドリフトが気になった 音は出るがEQアンプでちょうど良いものがなくて金田アンプの正確な判断は出来なかった
stereo編 ONTOMO MOOK LXV-OT10も使ってみるがそれなりに良いだろう
http://ph7dc.but.jp/dc_amp/MMeqAMP.htmlのEQ部も使ってみたがラインアンプのオフセット電圧が気になってじっくりと聴けない 後日レポートしたい

2021.07.16 真面目に調整
調整も適当にしていたが目途がなくて結果はサンザンというところだ
No.270の調整方法を参考にした
 VB1=VB2/2 (抵抗間、ダイオード間電圧)
 入力を10KΩでシャント
 SAOCを外す
 VRの接続線①を外す
以上の準備をしてVB1=VB2/2を調整
その前にD1.D2の5.1Vタイプツェナー電圧が4.4Vしか出ないため6.2Vタイプにしようと思いとりあえずD2だけ6.2Vタイプにした(D1も6.2VタイプにするとTR1の損失が140mW増となるので止めた)
これでVB2=5.88VとなったのでVB1=2.94VになるようにVR1の1KΩを調整 VRの接続線①を繋ぐとVB2=10.49V VB1=10.67Vとなり T1カソードは0.522Vとなる
T1プレート抵抗はNo.272の2.4KΩから3.3KΩになっているので電流は3.23mAとなる

SAOCはツェナーダイオードで定電圧とするNo.272の方法としたのでツェナーは7.5Vタイプを使い当初の2SK170V(Idss13.5mA)から2SK147(Idss14mA)とした

以上の設定でSAOCは相当改善され安心して音楽に浸れるようになった きちんと調整しないとだめだと言われそうだ




B ■D2を6.2Vタイプにしてみた
AではD1・D2間の電圧約10Vになるはずとのことだがそうはならないから




ヒャリング 2021.07.16
なんとか聴けるところまでいったので昨夜少し大きめの音で聴いた
EQはMM専用プリのEQ部 カートリッジはMG-3675 中電 MM型カートリッジ DL-102
ラインアンプは本アンプ チャンネルフィルターNo.219 パワーアンプはNo.239 SPは604E+ゴトーツィーター
 懐かしのストックホルム バード・イン・パリ
 トランペットの詩人トニー・フラッセラ を聴く
音が出た瞬間いままでとは違うと感じる 音に艶やかさがある 果たしてこのラインアンプの影響かカートリッジかEQか しかしいままでカートリッジとEQはそれなりに聴いているから新たな本アンプの影響にほかならないと踏む もう少し他のレコードも聴いてみよう


なんとか当初に戻した
D1.D2の5.1Vタイプツェナー電圧が4.4Vしか出ないため6.2Vタイプに・・・とのことだったがTR1の損失が大きいので5.1Vタイプツェナーに戻したのが下の図のものだ 当初に戻った 当初は調整が適当だっのかオフセット電圧が安定しなかったが
 ①SAOCのツェナーを7.5Vタイプにしたこと
 ②T1のVR1を適正に調整してその後動かさないこと
これらが功を奏してうまく収まったような気がする 試行錯誤と半田付け・半田吸い取りの繰り返しだ



C ■当初に戻した
オリジナルの設計を重視してAに戻した AではAOCが挙動不審のためBにしたり・・・結局はなんとも無かった
その間SAOCの電源電圧を替えたりして良かったのか?悩ましい限りだ



①Rpip1=Vz
②Ic1=Ic2
となるとのことだが①は調整で合わせられるが②は?

LINE-IVC

 
                ※SAOCのツェナーは05Z7.5にしている


EQアンプも
ラインIVCのみ作ろうとして作ったところ出てきた音に興味が湧き
EQアンプも作ろうと思い出した 2021.07.17


       ※精査していないので誤りは乞容赦

さて金田先生はどのようなパターンを発表されるのか楽しみだ
もっと合理的なものになることは違いない
入力の抵抗は不要だが仮に発振とかに陥ったときのため
配置はEQ素子を入れるため球の位置を少し動かした
こちらにならってLINEIVCを作ったほうが良かったかも

EQのSAOCは③になるが思い切り低いところでローパスしている




TR1・TR2の損失について 2021.07.19
①Rpip1=Vz
②Ic1=Ic2 ということで設計はIc1、Ic2とも3mAになっているという 多くても倍になるとしているが実際そこまで行くか
 アイドリング時
TR1はおよそ200mW
TR2はおよそ 50mW の損失
というのが読めてくるのだが そうでなけばTR1はとっくに壊れている
TR1.TR2の温度は今回実測で55℃前後(Ioを10mAに) 200mWが放熱器なしの分岐点


 電圧等 2021.07.24
以下が完成形になると思う
Ioは10mAにしたと思う あるいはEQと同様12mAだったかも
実測だが僅かなタイムラグもあり誤差は容赦
TR3の電流とTR1+TR2の電流がほぼ一致しなければならない





上図は MJ No.279から引用のうえ 自己測定データを朱書き


2SA970 接合部温度 2021.07.29 未定稿

Tj=Ta+Rth(j-a)×Pc
※Tj:接合部温度、Ta:周囲温度、Pc:印加電力
Rth(j-a):接合部-大気間熱抵抗
Ta=25℃で、Pcmax=300mW 時、Tjmax=125℃
となるので、Rth(j-a)=(125-25)/300=333(℃/W)
Ta=75℃の場合、許容損失 Pcmax は
Pcmax=(Tjmax-Ta)/Rth(j-a)=(125-75)/333=0.150(W)
となる
Ta=75℃で、仮に印加電力 Pc=0.15(W)で使用した場合
接合部温度 Tj=Ta+Rth(j-a)×Pc=75+333×0.15=125(℃)
となり、接合部温度の最大定格 Tjmax=125℃であり、使用条件は?

Ta=60℃の場合、許容損失 Pcmax は
Pcmax=(Tjmax-Ta)/Rth(j-a)=(125-60)/333=0.195(W)
となる
Ta=60℃で、仮に印加電力 Pc=0.15(W)で使用した場合
接合部温度 Tj=Ta+Rth(j-a)×Pc=60+333×0.15=110(℃)


              上図は2SA970データシートから引用


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