No.128 オールFET万能型スーパーストレートプリメインアンプ製作記  FETプリメインのバナー (C) Copyright 2001.ph7 All Rights Reserved

No.128 オールFETプリメインアンプ写真
 初めてというのはぎごちない
 ゆとりがありすぎて
 どうもゆるみになっている
 では実験用の仮のケースにしては
 もったいない
 記念にとっておくか
 といいながら
 ひとつふたつとパーツが
 ほかのアンプに取られていく


 ラックに収納するタイプのケースで、天板と底板はアルミでなくてスチール。


初のFETアンプ製作
 初のDCアンプの製作はプリメインアンプだった。今になってだが、何かしらこれ1台で金田ワールド(そのときはこんな言葉さえも思いつかなかったのだが・・・)に入り込めると思ったのだろう。そして、すべてが製作記事に忠実だったことを思い出すが、初めての時はみんながそうであると思う。特に回りを見渡してもアンプを自作する者は、自分一人しかいない。そんな時は製作記事がバイブルだ。電源は乾電池をメーカーまで守って用意する。それしか方法がないから仕方ないが、ともに喜びを分かち合えないというのは残念なことだ。ただし、私たちのグループではいろいろと意見交換や各家庭(リスニングルーム)を輪番で訪問し合い切磋琢磨?していると思っている。

ケーブルの威力 
 第1号機がNo.128であったのだが、自分の所有していたメーカ製管球式プリとメインのセパレートアンプはあっさりと脱帽だ。これに気をよくしてアンプと電池を抱え各家庭を回ったが、イマイチ不評であった。何故か理由が分からなかったが、自宅と変わっているといえばスピーカーとケーブルである。そうかケーブルだと思い例の大栄電線30芯に変える。この時である、仲間がその電線に遭遇した記念すべき夜だった。いわずもがな、購入希望の舞い込むこと・・・。人間とは本当に現金なものだ、先ほどまでは、そんなACコードみたいなもののどこが良いのかと言っていたばかりの輩である。たかだかメートル50円もしないケーブルが、メートル数万円のメーカー品を超えると思う。超えると言ったら責任が持てないので、自分たちには好みの音で聴こえる・聞こえたとした方がいのか?。

出会い
 これが、私と仲間たちの金田式DCアンプとの出会いである。つまり、例外を除きこの日からメーカーアンプの購入が途絶えた。さらに、レコードの音の良さをさらに確認することになり、CDも購入しなくなる。レコードに隠れた音の良さを十分に探求しないままに放置した自分たちに自己嫌悪さえ覚えた。
 アームケーブルをモガミの指定に変えると音も変わる。それは当たり前だと思ったのは、アーム内部に使用している配線は、購入時のままだから年数とともに相当劣化している。さらに、カートリッジから半田で直結だし、2497との接合も半田だから接点が3つも減るのだ。

パーツはどこで
 最初の製作は、パーツ集めからつまづいた。ケースは札幌市のパーツ屋で求めたが写真のとおり大きすぎたし、薄かったのでパーツの頭がケースに当たる。ケースが大きいから内部での配線が余分になり、好ましくないと試聴会の折りに金田明彦先生に言われた。そういわれて初めて気がつく。記事では誠にコンパクトであり、入力ピンの部分も写真では2段になっているではないか。

フラットアンプの存在意義
 今回のアンプの場合は、プリ部のフラットアンプが省略されていて、簡単でつくりやすいが、音の点ではフラットアンプ付きのものと比較するとやや難ががあると感じるし、設計者も実はそうなんだと認めているところだと思う。本来ならば余分なパーツは音を悪くするのであるから、フラットアンプもない方が良いかとも感じるが実際はそうではなかった。

電源は電池? 
 電池について言えば、パワー部は大食いのためとても電池では破産すると考えて鉛バッテリとしたが、+−24Vもあれば十分である。電流は片チャン150mAは食うので、鉛バッテリ6A(12V)のもので私なら半月程度は持つのだが、その後リサイクルの視点や安心感からしてAC電源トランス式に変更した。別の製作記でふれるがTRパワーアンプにAC電源トランス式は決して採用したくない。それだけの苦い体験を持っているからだ。

電源は2電源必要
 +−36と+−30Vの乾電池電源が必要とのことだから、当時は指定の電池をあちらこちらと少しでも安いものをと、かけずり回ったものだ。パワー段には内部抵抗の低いニカド電池を使用すれば良いのだが高くて手が出ないので、当初はマンガン電池を使ったが前述のとおり次第に鉛バッテリに変わった。後から思えば、終段以外は30V程度とし終段は24Vでも何ら問題はないのだが、初めはマニュアルどおりでなければ、トラブルの原因究明にも影響するとして忠実になるものだ。
 完成してしばらくしてから、パワー部を単一電源で動作させたくてドレンフォロアー式として発表されたものに作り替えて使用した。(基板は、カットせずにそのまま使用したので空きスペースに継ぎ足したという感じだ。)

今から作るか?
 この種の完全対称でない半導体(J49、K134)方式のアンプは、いまや懐古的に作るにしても同一のパーツが入手できないから、参考にはならないが思い出のアンプだ。
 しかし、本来のケースに詰め込もうとして別にパワー部だけは作り、ケース(OS49-20-33)に入れた。後は、プリ部のみを作れば良いのだが、今のところ滞っている。
 本当に、こんな小さなケースからすばらしい音がでるとは、誰もが理解し難いと思う。プレーヤーも電池だから停電でも電気の無い野外でも音楽を聴ける。アルテックの大型スピーカも鳴る。これはなんと凄いことではないか。このアンプが大量生産できて、3万円程度でマニアはもちろんのこと若者にも広がれば、オーディオに対する考え方も変わると思うのだが、如何なものだろう。
 廉価に仕上げるにはパーツを見直すことだが、FETはそのままとして、V2Aはいまや入手不可能だから代替品となるが、この辺りを思い切ってコストダウンしてみるとか、どこまで切り詰めるか。ケースもそのうちのひとつだが、あまり変えてしまっては金田アンプにならなくなるから注意しよう。取りあえずはCDを聴けるようにパワーアンプとかフラットアンプとかで音の違いを確認することも大切だ。

No.128 オールFETプリメインアンプ内部
No.128 オールFETプリメインアンプ内部写真 いまや幻のV2Aも載っているし、ついつい追いはぎ(パーツ取り)に遭う。



ケースを替えた (2005.7.1)
 せっかくのプリメインなのに寝たままとは、と思いケースを替えた。
ついでに電流制限のFETを取替えた。丁度手元にIDSS4.0mAの5465があったので、これにした。これで余計な抵抗を付加せずとも良くなった。
No.128 オールFETプリメインアンプ内部写真2
※2497ケーブルはイコライザー出力用で、実験的なもの。


IDSS4.0mAの5465



最近徒然 (2011.05.16)
 この頃、モノーラルシステムが中心なオーディオライフだが、レコードがモノーラルかステレオかわからない時がある。モノーラルカートリッジは専用のため、ステレオレコードをかけると溝を痛めるのである。こんなときにメインシステムのステレオを立ち上げるのは億劫である。真空管プリアンプに火を入れ、3分待ってから低域の真空管パワーアンプに火を入れて、中高域のFETパワーアンプもONにする。そして、少し安定するまで時間を要するから、10分は待つことになるのだ。簡単にSWonですぐに聴けるには、上記のプリメインが最適だろうと思いだし、セットしたが色々追加した半固定VRの用途が分からなくなった。追加したときは、忘れるわけはないとタカをくくっているのだ。昨夜も、実際にVRを回して見て結果を確かめるという事態に陥り、ようやく音を聴けるところまで追い込んだ。終段も含むIo=100mAで低めに設定した。左CHの音が変だ。終段の石の+側に30Vがかかっていない。Ioも30mA程度しか流れない。これが終段を除くパワーアンプの電流ということになる。よく見ると+側終段へのオレンジの配線(+30V)が芋ハンダとなって浮いている。クワバラ・・・この端子が他の配線に触れたら一巻の終わりだ。仕舞い込んだ時には正常に動作していたはずなのだが?。しかし、なんと言っても1号機となる思い出深いシロモノだ。



シンプルに (2014.01.17)
 このアンプのパワー部は、本当にシンプルだ。
金田式オールFETパワーアンプ http://www.geocities.jp/mutsu562000/hp004.htm でも紹介されている。ここでは「・・・見てください。この非凡な部品選択と回路の妙を・・・」と巧みな言葉で表現されている。まさに、そのとおりだと思う。最近のデバイスSiC MOS-FETが高すぎて製作に至らないから、これに触発され、このアンプを少し触ってみたくなった。

2021.04.29
今は上の geocities のhpは繋がらない 他のhpにもよく見かける ヤフーの罪であると思う 今は https://hohon88.zouri.jp/hp004.htm で見られた 一安心だ

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2001.04.11 1版 一番最初に製作したものだが、今はドック入りだ。
2005.07.01 ケースを替える。