No.139 超シンプル完全対称DCパワーアンプ製作記 (2N3055) TRメインのバナー  (C) Copyright 2001.ph7 All Rights Reserved

TRpoweramp写真

 超シンプル 気に入った
 ほんとうにシンプルだ
 シンプルすぎて
 大丈夫かとも思う
 私にしては、すこしトラぶった アンプの内のひとつだった
 つまり、簡易なアンプではないということだ
 パーツの少ない分、選別する要がある

写真のアンプは、製作会専用であり`95.09の形態とは異なっている。
音に悪影響を与えるファイナルのエミッタ−抵抗は付けないことだ。

回路はシンプルに
 音は大胆に・・・と思うのだが、いつもスピーカーを気遣い心配しながら・・・というのは精神衛生上よくない。このアンプはいまでもシールバッテリー24Vで駆動している。私の作ったTRパワーアンプは、とてもトランス方式の電源では安心できない。商用電源が悪さをしていてよくないのである。

製作会は楽しいし情報が早い
 製作会は95年7月だった。しかも発表された記事のトランス式ではなくてDCバッテリー駆動である。つまり、95年9月号のP.127図6の回路のものを製作した。パーツ(リスト参照)もその回路にあわせてリストアップした。

電源が問題だった
 金田明彦先生は、今回の製作会時は95年9月号のアンプを持ち込んできた。当然、トランス式のものだ。プリアンプは私のNo.141の真空管式を繋いでいたが、ピンジャック接合部分の不都合から、先生のアンプにトラブルを与えてしまいTRが飛んでしまった。TRはご臨終、先生に大変申し訳ないことをした。反省。しかし、スピーカーは健全だった。先生曰く、「TRが飛ぶだけでスピーカーには及ばないようになっている。」とか。そして、もくもくとパーツ交換をしだした。その手早いことと、テクニックを目の当たりにできた。さすがである。
 電源が問題だったとは、我が家の商用電源はどこからか分からないが回り込みがあって、トランス電源方式でTRアンプを駆動していると何時の間にかファイナルが飛ぶ。当然ながら前段のドライバーとマイナス側の抵抗も道連れだ。まず、オシロスコープでAC100Vの波形を見ると上下の頭がつぶれている。きれいなサイン波になっていない。電圧は92〜96Vである。

オンケンのスーパートゥイーターが飛んだ 苦い体験
 飛んだのに気がつかないとは、なんとスコーカ−の性能の良いことか、などと洒落ている場合ではない。左が飛んだ。早速修理に出したが数ヶ月と42千円の出費であった。この間オンケンの小泉さんは代替の同一のトゥイーターを貸してくれた。何と有難いことか感謝です。それかなと言うものは、トランス式電源をTRアンプには使わないこととした。絶対にである。
 (この事故の前にもネットワーク方式のパイォニアS922の、やはり片チャンだがウーハ−を飛ばしたにも拘わらず・・・学習効果のないこと。)
 そんなことがあってからは、シールバッテリーを充電しながら使用しているが充電サイクルは、0.5〜1ヶ月と言ったところであるからそんなに面倒なことではない。(そんなことでは金田アンプは使えないぞ、と嘆く先生の顔が目に浮かぶ。)




TRpoweramp_kiban2写真 95年9月号のP.127図6の回路による部品配置(拡大




このアンプのおすすめ電源電圧
 24〜30Vの範囲ならいくらでも良い。電流は70mA程度流すことだ。製作会では、12Vで試したがなかなかの音だった。



基板とファイナル2N3055
TRpoweramp_kiban写真









このような実験結果がある
 函館の傍の大野町在住の古川さんのリポート
「オリジナル同様、トランス式で素子の耐圧ぎりぎりまで電圧(±50V)をかけたアンプだと、安定しているとのこと。これに反して、30Vとか中途半端な電圧では、どうも電源からの回り込みにて3055を飛ばすことが多い。」
 信じられないような話だが、そういえば金田明彦先生も試聴会に持ち込んだタイプはオリジナルだった。さりとて、比較実験のために作ってみるのも大変である。バイポーラを、こよなく愛する諸氏の追試を期待する。(2002.01.02 宇都宮さんからのメールにて、以前にバイポーラを使用していた者として、このタイプを作りたいとのことから、ここに追加してヒントになるかどうか?)


とある質問
Q 終段Trのエミッター抵抗も削除と言うことでしょうか。 京都市 宇都宮さん
A ここで製作したNo139パワーアンプのファイナルのエミッター抵抗は入れません。24−30Vでは不要です。なお、このアンプは中音と高音にしか使っていません。そんなにパワーはいらないでしょう。金田先生も最近までGOAタイプの10mA乾電池式で低音以外をドライブしていました。そのときの低音は416−8A、4本→8Ωを6C33C−Bパワーでドライブ。今は、4パラで2オームをNo163、MOS−FETパワーでドライブしています。2オームのSPをドライブするには球では無理ですから仕方ないとのこと。音は一体型のケースが良いとのこと。やはり、電源部も含めて配線も長くなるためとのことです。(質問とは関係の無いことも述べました。参考まで。)

Q ファイナルのエミッター抵抗なしということですが、その場合、過電流の保護回路は無しか別途手立てをされているのでしょうか。
A ファイナルのエミッター抵抗なしのままです。過電流の保護回路は一切ありません。5465と3055の熱結合のみです。下の写真のようにサイドパネル(本当は正面・裏面とか)に取り付けていますが、アイドリング電流からしてほのかに暖かい程度です。

2N3055サイドパネル放熱状況
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音は、エミッター抵抗なしの方が良いとされています。私は比較したことがないのでなんとも言えませんが・・・。このアンプは商用電源で作ったDC電圧をかけて使用していて幾度もファイナルを飛ばしました。それからは、バッテリー(±24V)のみの使用としましたので、一切トラブルはありません。


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2001.05.11 1版
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2002.01.03 とある質問追加