No.122 オールFET スーパーストレート・プリアンプ製作記 (C) Copyright 2001.ph7 All Rights Reserved
製作会には
そう
これしかない
これでしょう
これでいこう
みんな納得
あの当時はまだ真空管タイプも
とっつきずらい世界だから・・・
こうなった
これは、製作記だから、もっと詳細なレポートも必要かと考えたが、MJの記事のとおりで、何等トラブルはないので、安心して製作できるプリアンプと思う。オフセットも安定しており、完全対称プリアンプとの比較などにも使うことが多い。本当に頼もしく乾電池でも十分に長期に使えるから、1家に1台というプリアンプである。
試聴だけでは駄目
「えーっ」と、みんなから声があがった。アンプなど作ったことがない。金田明彦先生は、「折角だから製作しなければ意味がない。」と云う。これは、一体どのような方なのか。やはり、製作おたくなのか。と、思った。この記事が掲載されている91年9月号は、手元になかった。つまり、92.93年頃からMJを講読し始めたのだから、ある筈もないのである。
早速、MJの編集部(渡辺さん)に問い合わせると、快く1冊ご恵贈いただいた。このときからさらにMJは大好きになった。しかし、昔、無線と実験は講読していたことを忘れていた。その当時は無線の方の興味からであり、講読しなくなってから暫く経過していたことを思い出した。
製作会・試聴会1994.5.14
7本の撚り線は、初めての経験だった。金田明彦先生が撚るとあんなにもきちんと固くなる。そして、せっかく撚った線の半田で固めた方をニッパーで切り芯線を静かに引くとすーっと抜けてくる。つまり、みんなに芯線は撚れていないことを証明するためである。ああ。。これは本物だ。小さなところまで自分のの手ですべてやっている人だと感じた。始めの時間は撚り線とハンダ付けの練習に費やした。ようやく午後から製作開始だ。完成まで2日間を要した。苦労したが結果として、いつまでも使えるプリアンプとなった。このときからFETのフアンにもなった。このとき3人がこのNo.122(91.9)プリを製作し、別に3人がNo.133(94.6)パワーアンプを製作した。
私、 「先生、もっと新しいプリはないのでしょうか。」
師曰く、「これが一番である。完成度が高くこれを越える回路はない。」確かに、No.132(94.3)の真空管プリしかない。これは手に負えないと思った。
このとき金田明彦先生は真空管プリとSP10プレーヤーのみを持ち込んできたので、パワーアンプは製作したものを使う予定でいた。結果としてパワーアンプは完成しなかったので、ph7(ハンドル名)拙作のNo.128プリメインアンプのパワー部を切り離して使用した。このとき、SP10ターンテーブルの回転が止まった。私たちは、なにがどうなったか分からなかったが、金田明彦先生はすぐ云った。「発振だ!!。」と、一言・・・。
私のパワーアンプが発振していた。終段がFETのため、発振しても壊れない。TRに比べると大変ありがたいことだ。オフセットが何故かずれていたので調整して何事もなかったかのように試聴会は続いた。
パーツ代
このとき、パーツは57,430円かかった。一番高いパーツが2N5465だった。12,000円である。もちろんカップリングのSEコンデンサーはV2Aにした。次にケースと位相補正のSEである(後から指定のものにしてある。下の写真がそうだ。)。2N5465というのは随分と高いものだと感じたが12本も使うので仕方ないが、今なら2SK117あたりでも使い、廉価にできるのだと思うが、当時はオリジナルに忠実だった。
音対決
このアンプと、No.145 EF86ステレオ真空管DCプリアンプとの試聴比較を行ったが、メーカー製品を使用しているところでは、はっきりと差が出た。そして、このアンプを常用しているところでは、確かに球の良さはあるもののDCアンプの音の傾向は似ているため、とりあえずはこのアンプで十分音楽は楽しめるということに落ち着いたが、やはり球には石に出せない独特の魅力があり自分のものにしたいとの声が多い。つまり、一生ものの球アンプということだ。
究極のプリ
プリアンプは、球が最高の傾向が定着しているし、事実そのとおりである。ここのところ金田先生の記事は球アンプの改善が目白押しだからだ。FETのプリは、No.159オールFETプリメインアンプのプリ部が究極かとも思うが、まだまだ金田先生は奇抜(MJ_No.131 P59)なことをされるから、楽しみにしているところである。割合からするとパワーアンプ(71.0%)の記事の方が多いことは間違いない。レコードを聴く方の比率が少ないということか。
究極のパワー (13.05.13記述のため、このような書き方になる。)
球か。UHCか。比較はしていない。
電源
乾電池というのが良い。私の場合は、0.6〜1年は持つから大変ありがたいし、使用後はSP10ターンテーブルに回すが、そこでもやや暫く使う。No.128?完全対称型TRプリアンプ(1995/6のトランスを除くプリ部のみ)の乾電池駆動と合わせてプリ・メインオール乾電池というわけだ。この組み合わせで暫く聴いたが、SWの切り忘れで乾電池を消耗することが多く、特にプリのSWを誤ってパワーより先に切ると色々とスピーカーにもショックが多いので、トグルSWを止めて電源からのコネクターの抜き差しでSWとした。これで接点が少しでも少なくなる。
オフセット電圧
TRやFETプリアンプなら、安定しているオフセットも真空管は、結構ドリフトする。このアンプでは、0.5オームの抵抗があれば、もっともっとオフセットを追い込める。どうだろう、スケルトン抵抗を自分で溝を刻んで抵抗値を設定できるようになれば任意の抵抗値を自分で作ることができる。とりあえず、10オームのものを色々と刻んでやってみることだ。
この基板のアンプが金田アンプに惚れ込むきっかけとなった。
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2001.05.11 1版
2001.05.17 リスト追加 1992.12〜2000.1.6 金田式DCアンプ製作記事内訳