No.133 オールFET完全対称ドレイン出力
A級50W/AB級120W DCパワーアンプ製作の思い出 (C) Copyright 2001.ph7 All Rights Reserved
このアンプに使う
トランスをいただいた
銅と鉄とアルミの
3種類のシールドのものを
3台だ
音が微妙に違うそうだ
わたしは銅にした
聴く以外に
みて楽しむことができる
音は見ることもできるのだ、と思った
トランスをいただいたものだから
電池の消耗を気にしないでゆったり聴けるパワーアンプがほしい。
そのような単純な気持ちで、酒を飲んでいた席で著名な方から田村のトロイダルコア・トランスをいただいたものだから、とんとん拍子で3台まとめて製作してしまった。なにせトランスだけでも結構な値段だそうな・・・。内、1台はマークレビンソン型と称しているが、なんのことはない放熱板をケースに食い込ませていないだけ、単に外見がそうだというだけで音は別物だ。(音はこちらが好きだ。遠い昔に札幌大阪屋キャビンだったか、マークレビンソンのパワーアンプでCDを聴いたことがある。)
銅と鉄とアルミの3種類のシールドだが、銅は銅色・鉄は黒色・アルミは白色だ。上の写真は銅である。
N氏宅のマークレビンソン型アンプが右に少し見える。
完全対称に惚れた
特性の揃った素子が良いに決まっている。しかし、パーツ屋さんは片側だけ売れて困るとか・・・。
6C33C−Bと勝負した
N氏宅で真剣勝負をしたが、やはり負けた。しかも、あっさりとである。上の写真のマークレビンソン型アンプと6C33C-Bとの一騎打ちをやったが、音が出た瞬間に勝負はついた。別々に聴いているとイイ線いっていると感じたモノだが、即座に切り替えて比較するとどうしようもない。本アンプは情報が薄い風に聞こえる。6C33C-Bに切り替えると丁度、接点プロ(5cc入)No.154参照を塗布したときの感じによく似ていて、音のスカスカとした部分がきちっと埋まる。いや、あれよりもず〜ッと明快に判断できたのである。
素子が無くなるのは困る
このアンプのファイナルの石(2SK134)が入手不可。それで、パラにせずに使用している。音はパラにするより細く感じるが、互いに特性の不揃いがあれば負荷になるはずだから、シングルの場合負荷の無い分だけ締まりがあるというか音が変に太らない。当初は、回路どおり片チャン当たり4ヶを放熱器に取り付けたが、中央の2ヶのみを使い残りは予備として放熱板に付けたままにしている。バランス的にも多くの素子をパラレルにしない方が良いと思う。パワーも十分であるから尚更のことである。
・・・製作の思い出
タイトルをこのようにしたのは、製作時期は平成6年頃だが、特にノウハウとして伝えるべきことは無いと思われるからであり、パターンも回路図も正確であるからだ。
ただ、いただいたトランスが回路図のものと同様なのだが、パワーSWオン時のスピーカーからの衝撃音が相当気になる。ファイナルへの配線の引き回しによって、ハム音が出ることがあるから、カットアンドトライをしてみることだ。
とある質問
「夢クラフト製作記」のページ(含製作の思い出) ETC・・・の とある質問とアドバイスのページとある質問01と一部重複。
「bP33アンプの製作記に6C33C−Bアンプとの比較が載っていましたが,読んでみて本当にすごいものだなと思いました。私もいつかはと言いたいところですが,まさにいつかはという感じになるようです。そこで,bP39と6C33C−BアンプとbP33の3つを比較すると,音の傾向はどんなことになるでしょうか。お教えください。」というものです。
絵のイメージはある程度、伝えることができるのですが、音は金田明彦先生のようには巧く表現できません。文章で表現すると3者3様というところでしょうか。あえて言うなら、
bP39〜TRアンプ 好みの問題だが、金田明彦先生直伝の製作会でNo.122オールFETスーパーストレート・プリアンプに始めて 手を染めた関係もあり、これがリファレンスとなっている。プリで比較すると122が締まっていて、128?が緩んでいると感じる。豊かさは逆だ。パワーでは厳密な比較をしていない。つまり、139のTRシンプルパワーアンプは、マルチのスコーカ-とツイッターにしか使っていないからだ。
bP33〜FETアンプ 140と似ているが音の密度が違い、140にはあっさりと負ける。
bP40〜球アンプ 終段のみ球だが、その威力ははかり知れない。初段がFETのため、熱によるドリフトも無く安定しているから、この140が好きだ。低音がきちんと出ると後は、それをベースに鳴ってくれる。アルテックのウーハ-とも相俟って小気味良い締まった低音だ。
以上、感じ方は、違って良いと思う。(2001.09.06)
アンプの背面 モノーラルの2Wayマルチアンプとして使用。これ1台あれば足りる。
NFBボリュームやLEDを付けたりしているので、どちらが表か分からない・・?。
電源のBSD化について(2002.03.31)
とある質問とアドバイスのページアドバイス05、06で、ショットキーバリヤダイオード(SBD)について、日本インターで30DF2を開発した出川三郎さんからの貴重なアドバイス(2002.03.27)があり、このアンプの電源に手を加えた。用いたBSDは、30PHA18(3A180V)とKCH30A15&KRH30A15(30A150V)である。改造後のヒヤリングレポートもアドバイス05、06の方を参照。このアンプは、仲間も1台所有している。こうなると、SBDアンプと、そうでないアンプの試聴比較もしてみたい。
最適SBD化対応パーツ価格表 出典:金田式 DCアンプシリーズSBD実験おすすめ案 出川三郎氏
電圧増幅段 | ±78V30DF2×4 → 200V 3A、30PHD18(選別品)4pcs\1,800- 又は B6A20 \2,300- |
パワー段 | ±50V GBPC2504 1組 → B60A15 \9,000-又は30KRH、30KCH15のペア\2,000- |
KCH30A15&KRH30A15(30A150V)gif
これからは、このような形のブリッジ素子が主流になるものなのか。
30PHA18(3A180V)jpg
30DF2、31DF2と同じサイズ。
気になっていたこと
仲間内にも当アンプを使用していて。微小な発振だと思われる現象で悩んでいるN氏がいる。特に冬場に目立つとのことだ。これは明らかに発振している。+Vccラインの引き回しに気をつけるようにとのコメントも製作記事中に見受けるが、これが結構シビアでありほんの少しのケーブルの移動で発振が止まる。10秒程度で素子が温まるせいか、おさまってくる。フェライトコアの高周波吸収特性が、高周波ノイズの吸収効果にすぐれているから、これを試してみるのが良い。
項目 | 記号 | 2SK133 2SJ48 |
2SK134 2SJ49 |
2SK135 2SJ50 |
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d・s間電圧 | Vdsx | -120/120 | -140/140 | -160/160 | V |
g・s間電圧 | Vgss | ±14 | V | ||
d電流 | Id | -7/7 | A | ||
逆d電流 | Idr | -7/7 | A | ||
許容ch損失 | Pch | 100 | W | ||
ch温度 | Tch | 150 | ℃ | ||
保存温度 | Tstg | -55〜+150 | ℃ |
その後 | No.133オールFETパワーアンプその後 完全対称と謳ったアンプはこれが始めてで、あの日から、Nch素子しか買わなくなった革命的出来事である。 自分で有するたったひとつのトロイダルコアトランスを使ったパワーアンプであり、一番重いのもこのアンプである。心して持ち上げないと腰を痛めるくらい重い。こんなに重いなら、音も重い?かと思うだろうが、6C33C-Bパワーアンプには負ける。このアンプで聴くと空間のあちこちでタイルが剥がれているように過疎であるが、6C33C-Bパワーアンプはびっしりと埋まっており音に隙間はない。これは、あくまでも比較して分かることだが、音の密度ということでは6C33C-Bは群を抜く。 パワーの石は2SK133パラだが、当時からエコを意識してか、シングルとした。Ioは記事どおり800mA程度にしたが、結構な熱も大きな放熱板でクリアーしている。製作して相当経過しているので、Ioを当たってみたところ当初の設定と大きく変わっていない。以前から、もう少しIoを下げたいと思っていたので、この際300mA位に落としてみた。当然のごとく2SK133は、ほんのりと温かい程度であり、出てくる音に差異はなく聴こえる。これでメンテナンスは終えるつもりが、SW・off時に結構なDC電圧が出るようになった。1V以上は出ていると思う。SW・offして数秒後ブチーッとスピーカーから雑音を発する。どうも気持ちの良いものではない。 メンテナンス前は、このようなことはなかったから不思議だ。なにかをすると別の事象が起きるのは常であり、これを承知で状態を変えるのだから、楽しいことだと思うようにしている。 SW・off時にパワー段のフィルターコンデンサーを抵抗でショートして電圧増幅段よりも早く機能停止しようと思ったが、S-6Aトグルスイッチが在庫切れだ。 なお、SW・on時のパフーンという空気を揺さぶる大き目の音は、3台製作したがいずれも同じだ。仲間内では、スピーカーのカンフル剤だと言っている。 2009.04.04 |
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1Ω程度の抵抗を介して電圧を測るのが良い。 |
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右CHに1箇所イモ半田を発見した。最初で最後と思うのだが、いままで経験は無かったのだ。No.133は丁寧に半田を盛り上げ半円球にしたが、チェックのときに半田吸取器でこの半田を除去することとなり、これが結構な量である。 これにて、正常になったので、一音を聴くが、かなりパワフルである。これなら十分通用する金田アンプの音だ。 2009.05.02 |
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No133FETパワー改修 本アンプのIoは1.77Aであるが、終段をパラにしない場合はこの半分ということになる。パラとそうでない場合の音の比較は、パラは重厚で音のレベルも大きい。シングルはしゃきっとした音になりレベルは3dB程度小さい。別々のアンプで試したのでこういった傾向は間違いないと思うが、アンプがあまり熱いのは好まないので、その後、Ioを200mAに落とした。これだけのトランス、FETパラ接続と見合う放熱器からして、200mAしか流さないのはもったいないことだが、7畳半の部屋で聴くにはこれで良い。 2010.09.28 |
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2002.03.31 3版 電源のSBD化