ナッキーのこれだけは聴こう!

Peter Frampton


1970年代に発表されたライヴ・アルバムの中で、世界中で最も売れた作品…それが今回紹介する『フランプトン・カムズ・アライヴ』である。
 現在も地道な活動を続けているピーター・フランプトンであるが、若いファンの方にはなじみのない名前だと思われるので、簡単にそのキャリアを紹介しておきたい。
 1950年イギリス生まれの彼は10代後半にロック・グループ"ザ・ハード"を結成するがルックスが良かったためティーンエイジ向けグループと捉えられてしまい、確かなテクニックを持っていたにもかかわらず"アイドル"として当時の雑誌等で大々的に紹介されていた。
 69年ザ・ハード解散後、人気ロック・グループ"ハンブル・パイ"に参加、『ロック・オン』『ロッキン・アット・フィルモア』等の名作を残す。
 72年に脱退後、自らのバック・バンド"フランプトンズ・キャメル"を率いてアルバム『ウィンド・オブ・チェンジ』で念願のソロ・デビューを果たすが、同バンドは74年で解散、直後に発表した正真正銘のソロ・アルバム『フランプトン』が自身初のゴールド・ディスク獲得作品となる。
 ひとりのギタリスト&ヴォーカリストとして認められた彼はその勢いをかって翌年アメリカツアーを行い、大成功であったその模様を収録したのが今回紹介する『フランプトン・カムズ・アライヴ』である。76年LP2枚組でリリースされた本作は、スタジオ録音盤では味わえなかったパワフルなギター・プレイ、アーティストと聴衆の一体感など特筆すべき点が多く、全世界で1000万セットを超えるビッグ・セールスとなった。
 ツアー後にレコーディングされた次なるオリジナル・アルバム『アイム・イン・ユー』もビッグ・ヒットを記録、名実ともにトップ・アーティストとしての評価を得た。
 しかし翌78年バハマでの交通事故を境に、それまでの運および持てる力を使い尽くしてしまったのか長らく低迷を続けることになる。その後も2〜3年に一枚のペースでオリジナル・アルバムをリリースしつづけるがかつてのパワーはすでになく、95年には『フランプトン・カムズ・アライヴU』をリリースするもややむなしさの残る内容であった。
 若々しい歌声で「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」を聴かせてくれたフランプトンも既に49歳、ぜひもうひと花咲かせてもらいたい。ただ、"枯れた"イメージだけは似合いそうにないが……。
(中野 亮)