1970年代前半は、60年代後半に端を発するフォーク・ムーブメントが一段とパワーを増し、数々の名アーティスト達を誕生させてきた。
一見個性が相反する2つの名アーティストの合体・・・のちにTVドラマ「木枯らし紋次郎」の主題歌「誰かが風の中で」大ヒットを飛ばしパワフルから繊細なヴォーカルで人気を集めた上條恒彦、「面影橋から」「雨が空から降れば」等正統派フォーク・グループとして固定ファンをつかみつつあった小室等率いる六文銭・・・1プラス1イコール2以上の完成度を持って1971(昭和46)年10月に発表されたのがこの「出発(たびだち)の歌」である。
前半〜中間部分は上條恒彦が語りかけるように穏やかに歌い上げ、後半部分でバックの六文銭と共にスケールの大きいコーラスを聴かせてくれる。当時考えられていた「フォーク=四畳半ソング」の概念を打ち破った画期的なサウンドは今なお斬新さを保ち続けている。
(中野 亮)