
ユーモラスなダック・ウォークでロックン・ロールの元祖と称えられるチャック・ベリーは1926年米ミズーリ州セントルイスに生まれる。
ミュージシャンとしてのデビューは比較的遅く、29歳の時にブルース界の大御所マディ・ウォーターズの紹介でチェス・レーベルと契約、「メイベリーン」で念願のレコード・デビューを果たす。
2年後にはファースト・アルバム「アフター・スクール・セッション」を発表、これがロックン・ロール・オンリーの作品と思いきや、意外にも(?)彼の幅広い音楽性がうかがえる。
さらにその2年後(1959年)に発表されたサード・アルバム「ベリー・イズ・オン・トップ」には今やロックン・ロールのスタンダートともいえる「ジョニー・B・グット」やデビュー・シングル「メイベリーン」も収録されており、彼の人気を揺るぎないものとした。
ここで何故マディ・ウォーターズが自分とスタイルの違うチャック・ベリーをチェスに紹介したのか?との疑問が残る。
おそらくチャック・ベリーがブルーースを知り尽くし(主に内面的な屈折した部分)、それを更に明るい方向へと導きヤング・ジェネレーションの支持を得られるとのマディの考えがあったのではないか。
ブルースを理解し尽くしたミュージシャン・・・その条件からすれば29歳でのデビュー、30代でのブレイクは決して遅咲きではなかったのである。
彼の作品はさまざまなアーティストにカバーされる度に再評価され、また自らの音楽活動も今日まで精力的に行われており、一昨年(97年)の来日は記憶に新しい。
老いを知らないキング・オブ・ロックン・ロール・・・いつまでもロックし続けてほしいものである。 (中野 亮)