とある質問02 本文

宮城県N様
 
           13.09.08            ph7(返事が青色)
 
結構、いろいろなと悩むことがありましょう。私もまだまだ悩みます。だから、前進するのですね。今回の問い合わせも、HPのどこかに匿名で紹介させてもらいます。きっと、参考になさる方が他にもいると思います。
 
-------引用は黒色
早速のお返事驚きました。お忙しい中大変有り難うございました。
すっかり悩んでしまいました。
オリジナルで作ってみたいものの,FETの選別の大変さは貴方のおっしゃるとおりと思います。それが難しいのが何となく感じられ,今までためらっていたように思います。
そもそも,bP39記事のFET選別の説明は,少し私などには分かりかねます。2N5465の耐圧チェックで“Idが多量に流れるものが耐圧不足”とありますが,その程度が不明で,具体的に「〇〇mA程度」などとあると自信をもって製作に掛かれると思うのですが。テスター一丁の私のような者を少し考えて欲しいなと思います。これは貴方はどのようにされておられますでしょうか。再度で恐縮ですが,お教えいただ
けましたらと存じております。
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a耐圧の限界に挑むの金田明彦先生の性格だと思います。良い音の追求からそのようになるものなのでしょう。2N5465はDG間-60Vの耐圧がありますが、ばらつきがあって-42.8〜-72.1の間に分布するという測定結果もあります。2SK30Aも50Vの耐圧があるとしていますが、ばらつきがありますから、総合的には30V以下でまとめるのが得策です。また2N5465は高い素子ですから、とっかえひっかえには限度があります。以前はこの部位には2N5465オンリーでしたが、最近は2SC1775Aも良く顔をだしますので、試して見るのも良いでしょう。しかし、TRでは回路がわずか複雑になります。FETなら最適な素子があれば調整抵抗も不要だから、音にも良いということです。○mA程度との疑問ですが、調整Rs抵抗が無くとも良い4mAがあれば、それを使うことで良いでしょう。最近は、10mA以上流せる2N5465は少なくなっています。
以下,何点か,貴方のお返事から,お聞きしたいことが出まして,急ぎませんのでお教えいただきたく存じます。
 
1 シールバッテリー
   充電器も普通のバッテリーと違うものが必要と聞きます。お使いのバッテリー,充電器についてお教えください。価格,そしてどんな   ところで購入できるのでしょうか。
a秋月電子にて通販してくれます。12V7.2A(3500円)を4台購入し、充電器も4台買いましたがこの充電器12V2.8A(2400円位)は今は広告に載っていませんが照会してみては?。
2 初段抵抗値
   電源電圧を低くする場合,初段抵抗値を低くするとありますが,24Vですとどの程度でよろしいですか。
aゲインもそんなに必要は無いでしょう。Rd抵抗で初段のゲインが決まります。、620Ωで良いでしょう。
3 MFB回路
   p.127図6の場合,MFB回路はp.128図9のをそのまま使うのですか。
   MFB回路は未体験で分からないのですが,VRの変化によって音感的にどう変わりますか。
aそのままです。HPにも基板の拡大写真をつけました。部品配置も含めヒントもありますから、楽しいと思います。なお、このTRアンプで3chアンプを構成しています。この場合は、3台のアンプのうち低域のみMFB回路を付けます。
 スピーカーを強力に制動(マッチング)する効果がありますから、カチッとはまるところがあります。この辺の判断は、相当耳が良くないと難しいかもしれません。当初、10KΩのコントロールボリウムでしたが、そんなにコントロール範囲が広くなくともとして、1KΩに変えているはずです。

4 保護回路
   p.128図9のTr10,Tr11は付けないで作成されたのですね。
aそうです。念のため56KΩ、560Ωも不要です。金田明彦先生にしては珍しく素子(終段のエミッター抵抗)をパラにしている。0.05Ωが無いから仕方ないが、確か音に悪いとして抵抗のパラは嫌いなはずだ。電池は特に嫌う。
5 試聴会で
   「12Vで鳴らして…」とありますが,その時はフルレンジで使用されたのですか。金田先生も感心されたということで嬉しく思いましたが,どんな曲だったのでしょうか。その時のSPや音についても教えてください。
aパイオニアのS922というものです。これを3chマルチにしました。今は、サブとモノーラル用にしてます。先生はクラッシックが好きですが、この時はジャズでした。アートペッパーのミート・ザ・リズムセクションB面2曲目tin tin deoでした。
 このスピーカーは2k.10kというクロスオーバーでして、写真のようなドロンコーンが付いていて、コーンもプラスチックみたいな堅いモノです。音はカッチリと締まった音です。

6 Rコアトランス
   30Vのを金田先生が推薦なされたとありますが,bP39に対してなのでしょうか。
aそうです。Rコア22.5V×2の4.5Aものです。いつものことながら、さあこれです、という感じです。いつだかは、注文も先生が勝手にしていて、トランスが届くということもありました。ちょうど良い電圧かと思いますが、いまある50ボルト用を活用するのも良いでしょう。
 
(後日注記:なお、MJ発表のものとの関連ということを指摘するとすれば、製作会時はMJ未発表ということや、バッテリーでもOK、バッテリーに近い電圧の電源でもいけるものとの判断だったかと思う。)
7 アイドリング電流
   70mAという具体的な数値有り難うございました。
a20mAでももちろん動作します。又は、100mA流しても良いでしょう。昔は、10mAとかの電流だったと思います。
 8 6C33C−Bアンプについて
   貴方の文を読ませていただいて,メンテナンス面のみが課題と感じられます。どんなことがあるのですか。簡潔にで結構ですのでお願いします。 
a球は2000時間の寿命というのが一般的です。毎日2時間聴いて約2年半でしょうか。この球のスペア-を確保することです。日常的なメンテナンスは特にありませんが、冷却をどうするかは製作後も楽しくやれると思います。6C33C-Bは内部が2つのカソード、アノード、ヒーターを持っていますから、半分づつ使うと5年持つこになるのかもしれませんね。
 
以上,たくさんあって恐縮ですがこの程度の者ですので,どうぞよろしくお願いいたします。
 
それにしても,6C33C−Bアンプはよろしいようですね。しかも貴方はそれを余裕で作っていらっしゃるようで,もうため息が出るようです。
発熱の強さとどっしりした存在感と……。以前,当方AB140Wを製作したことがありましたが,重いシャーシ,何個もTrをだめにしたあの苦労,完成後の放熱器の熱,MJにはストーブいらないとありました。あの頃のことが思い起こされてきました。
同時に6C33C−Bアンプが何か身近に感じられてきました。
有り難く感謝して終わりにします。
a私は、このアンプはきっと、名作だと思います。もちろん球も名球ですが・・・。

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   お返事いただいてから,時間がたってしまいました。申し訳ございません。いつも即対応していただき感謝いたしております。添付ファイルまで有り難うございました。大変よくわかりました。(2001.09.15)
  さて,最近お蔭様で,何かbP39が頭から飛んでしまい,まだ見ぬbP40の姿が瞼にチラついて,浮かんでは消え浮かんでは消えとそれを繰り返しているようになりました。
  bP39をバッテリーで作りプリと共に完全対称として,併せてbP40製作に向け少しずつ計画していき,いつか頑張って作ってみたいものと思います。  そこでまたお伺いしたいのですが…,
aNo.139は将来、マルチの中高域に使えますから無駄にはならないでしょう。現実に、金田明彦先生も中域から上は、昔のTrアンプを使っておられました。(現在は不明です。)なにしろ、電池も食わずに大変良いとのこと。また、先生は4CHですから、低域は真空管のアンプでしたが、残る部分に3台の同じアンプを使用しないと音の傾向の問題もあるから、大変だとされていました。
1  bP40の使い方
    bP40はどの音域で使うのがよいですか。
    貴方の文に,全音域の音の印象が記述されている部分があり,フルレンジで使われたこともおありだったのかな?と思っておりました。
    低音に使用されていると思います。クロスオーバー周波数はどれほどでお使いですか。
aこれは、製作完成ヒャリングレポートの項を起こしてN氏、K氏の感想が近くアップされます。彼らのSPはネットワークですから音の感想・印象はそちらで掴んでください。38cmのウーハーは600ヘルツでスコーカーは、8キロヘルツと決めています。26センチのウーハーで800ヘルツくらいでしょうか。
2  MFB
  MFBのこと,お蔭でよくわかりました。また,MFB回路は低音用のみに使用することが,前回いただいたお返事ではじめてわかりました。では,アンプをフルレンジで使用しネットワーク2Way等の時はどうなのでしょうか。ウーハー直接の時以外はMFB回路は外すのでしょうか。
a低音域において威力を発揮します。ウーハーだけで十分でしょう。付けておくことは何ら弊害はありません。マルチアンプの場合は、音の分業ですから、操作が大変でしょうしあまり効果の見えないところにパーツをつぎ込むのは如何かということです。先生も製作視聴会時そう申されていました。
3  bP39の電源電圧
    貴方は中・高音にbP39を使われておられたようですが,必要出力W数から電源電圧を変えたりはしないのですか。たとえば,中音用…24V,高音用…12Vのように。
    試聴会で12Vで試されたとありましたが,12V稼働の場合は初段の抵抗値もそれに応じて(前回示していただいた620Ωから)変える必要がありますか。    また,12Vと24Vの音の感じは変わるものですか。
必要出力W数は、マルチに関しては、それぞれのアンプであるいは、マルチコントロール部で音圧(出力)を変えれますから、電源は一定です。ネットワーク式もSPにレベルコントロールがあるのと同じです。ですから、620Ωは変えません。12Vというのはあまりにも極端ですが動きます。ここが金田アンプの魅力で、そういわれる所以です。やはり、規定の最低電圧は食べさせてください。
4  bP40アンプ使用素子
    使用素子(FET等)で,製造中止の恐れのあるものはありますか。Trアンプで,Trが次々製造中止となって苦労した思い出があり,もしそのようなものがあれば今のうちに購入するようにしたいものと思います。6C33C−Bはどうなのでしょう?
a競馬の予想というと失礼かな。次はどの素子が市場から姿を消すのかそれぞれの思惑でパーツストックをされていると思います。最近では、音が良いとされるツェナーもO5Zシリーズが生産中止とか、ですからHZシリーズを使っていますね。進の抵抗も無いので金田明彦先生は次をどうしようか早急に検討しています。今のところ、A606、C959、J74V、J78、K30A、K117、K170、K215等があれば結構アンプ作りには困らないですね。ただ、C959がもう入手出来ないですから、代替にC708でもテストしてみるとか・・・。
  
No.140 6C33C−Bは、J72が無いだけで、これもJ74Vで音には問題無いです。不安なのは、高圧のファストリカバリーDiでしょう。これも代品のERD09−15がありますが、もっと安くて良いものは無いのかと思います。他は大丈夫です。ただ、球は最近ペア管しか見えなくなりました。今回、1本3800円でMJ10月(アトモス)に載っていましたので問い合わせてみては?。10本あるとペアも見つかりやすいので、少しまとめて買って置くことです。また、予備の球もストックしたいですしね。

以上,相変わらずのとんちんかんな問いでお忙しい中に大変恐縮に思います。いつでも結構ですのでよろしくお願いいたします。
a些細なことも気になるものです。それがまた楽しい。教学半という言葉があります。




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2001.09.08 1版