SATIN(サテン) M-11

ジョン・コルトレーン(John Coltrane、1926年9月23日 - 1967年7月17日)の亡くなるころラジオ少年は、オーディオに目覚めていた。再現のレコードを聴いて、暴走していくさまを想像した強烈なイメージは忘れられない。それと、この強烈なジャケット。


SATIN M−11は、我がオーディオ最初のMCカートリッジ。
不思議なもので、モノというものは、いつの間にか消えていく。無くなるのである。このカートリッジのマニュアルやケースもどこへ行ったものか今は分からない。それもそのはず、40年も前のことだから。
しかし、本体だけは大切に保存してあった。音も出るが、やはり古さは・・・。


規 格
・インピーダンス 10〜25kHzで純抵抗がほぼ40Ω
・負荷インピーダンス 20〜250kΩ(この範囲でのF特性の変化は殆んどない)
・周波数範囲 10〜25kHz+1dB(10kHz),−3dB(25kHz)
・クロストーク 10kHz −30dB以下,20kHz −20dB以下
・混変調歪400Hz:4kHz +15dBまで2%以下(水平)
・針圧 0.5〜3g (最適針圧 1.5g)
・コンプライアンス 25×10-6cm/dyne
・出力 4mV

■M-11(丸針) \11,900
■M-11/E(楕円針) \14,000


ふと、このカートリッジを見つけて、思い出を保存した。

2010.4.4


M11のカンチレバーについてお伺い。とのメールがございまして、カンチレバーの特殊な構造を確認いたしたいご様子
> 無音溝あるいは弱音部にてスクラッチが小さくなるような仕掛けがM11にはしてあるようであります。
> 構想的には、スクラッチノイズのスペクトルを観察して、そのピークに当る周波数を急速に減衰させるものらしうございます。
> 実際にはカンチレバーに仕掛けをしてその周波数帯を急速に減衰させる構造になっているらしうございます。
> その仕掛けとはカンチレバーの中央部に幅数ミリでごく薄い吸音材的な物を巻きつけたものと聞いております。
> この部分が本体の針受けに当るわけであります。
以上のようなメールの内容でした。

以下にカンチレバーの詳細をアップ致します。







掃除前の針先 大分汚れていました

Dr.STYLUSで掃除した後の様子 キレイになるものです。

2011.05.04


質問者からのお礼のメールです。

> 追加されました五枚の写真のうちの三枚目、カンチレバーの腹が写っております写真が、私の目指す写真でございます。有難うございます。
> カンチレバーの中央部に、茶色に変色はしてをりますが、最初は黄色であったと思われる塗料が施されているのがはっきり見えます。
> 針をボディ(本体)装着しますとこの塗料の部分が、一枚目と二枚目とに写ってをりますボディ(本体)側の針受けに受け止められるようになっております。そしてこの多分ゴム系の塗料が軽いスクラッチを吸収する仕掛けになっているものと思います。これが説明書の「無口」のいわれでありましょう。
> 初め私が先輩から聞いた話では、カンチレバーの中央部に薄い吸音材的なものが巻きついているとの事でしたが、具合の悪い事があったらしく、改良が重ねられて、今見せて頂いたような形に落ち着いたものと思われます。良い勉強をさせて頂きました。重ねて御礼申し上げます。

この様なことは知るゆえもありませんでした。当方こそ勉強させられました。ありがとうございます。
2011.05.06