一筆啓上・・・近況報告14 ph7




 金田式DCアンプの終段がFETタイプのものを作りたいと思ってしばらく経過した。最近のパワーアンプの終段は2SK2554が最適の素子とのことでもあるし、トランスの定格も一定してきた。一つのトランスで多くのアンプに活用できる電源は、常に実験を繰り返す金田式DCアンプオーナーにとっては、待ちに待ったものといえる。こうなるとあとは、素子を替えての実験も容易に出来る。
 今、2SK2554に代わるより廉価なFETが無いものか探している。理由はマルチ方式とするため、中域・高域と2台のアンプを製作する必要が有り、少しでも経費を圧縮するには、一つ一つのパーツのコストを考える必要があるからだ。
 現在のマルチ用パワーアンプはTR式のもので、シールバッテリー(±24V)駆動である。普通に聴いて一月程度は持つ。一生懸命聴くと半月である。それでも充電するのがおっくうであり、なんとか、AC電源にしたいのだが、それによりツイーターを飛ばした経験があり、それからというものは、TRパワーをAC電源(トランス)で駆動しようとは思わない。FETアンプなら熱暴走もなく安心なのだが、TRアンプは技術力の不足をあらわにしてか、AC電源恐怖症である。情けない限りである。
 そんなこんなで、思ったより検討時間(期間)を要した。その夢の途中で、インターネットオークションでIBMTinkPad560を1台求めたのが、間違いだったのか。すっかりと、寄り道をしすぎて金欠になってしまった。それでも最近、ようやく泥沼から片足を洗う事が出来た。やれやれ。
 それでも、オークションの成果か、どこでもいつでもエディータ(松V6)を起動して原稿を書く事ができることは、素晴らしいことではないか。今使っているPCは、TinkPad530CS(CPU100MHZ、メモリー20MB)である。MSDOSなら全く問題の無いPCである。これが数千円とは、有り難い話ではないか。(MMX133Mhzでも最近は1千円まで相場が落ち込んでいる。これは売りに出さないで保管していた方が良いというものだ。)
 金田式DCプリアンプは、ゲインが高いから、BGMには使えないという輩が多い。結局、プリとパワーの間にATTを入れる事になる。このATTの抵抗に何が良いのか、スケルトンとDALEを試したが、ヒヤリングの結果DALEを採用した。ATTを入れると高域の艶やかさが極端に減衰する。その減衰の最も少ないものとしてDALEを採用した。巻線抵抗の音の良さが立証されたことになる。しかし、真剣に聴く時はATTは不用である。そのためにいちいち接続がえをするのはヤボというものだ。スルーSWを付けて、本当の金田式DCアンプの音を聴く時はこれを0Nとする(R1の10KΩの抵抗をショート)。これで、遜色の無い金田式DCアンプの音を楽しめる。
ゲインが大きいということの程度の問題であるが、これくらいの音量で聴かなければ、本当の音楽として捉らえられない。私は、ATTは不用である。BGMはラジカセで聴けばよいからだ。というよりも、真空管プリと真空管パワーの滅失度合が気になるからだ。なにかとてももったいないと感じるのが本音である。





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2003.04.30 1版