一筆啓上・・・近況報告4


 皆さんもこのようなことはないだろうか。私にはある。
 あまりコンをつめて、複雑(高度)なものを追求していると、ふと、もっとシンプルなものを追いかけて見たくなる。真空管プリアンプに真空管パワーアンプ。電源ダイオードは、SBD(ショットキーバリアダイオード)であり、真空管も名器を・・・音の品位は申し分ないと思う。真空管プリアンプのSBDとFRDと整流管を切り替えて音の違いを確認する楽しみも捨てがたい。真空管だから、安定するまで時間がかかるのはいうまでもない。フラットアンプ初段の差動アンプも球だから、ドリフトに悩まされる。AOC(オートオフセットコントロール)の出番だ。次は、パワーアンプが悪さをしてスピーカーが飛ばないように、DCが600mVを超えた時点で終段に印加される電圧がOFFとなるスピーカー保護回路を組み込むことになる。
 どうも私は、じっくりと音楽に没頭するタイプではないようだ。と思うと何か急に寂しくなる。こうなったら、すぐに音の出るシステムに取り替えることになる。また、こういうことも良くある。音楽を聴きたいと思い居間を後にする。電源はすべて入れるのだが、何か気乗りがしなくてもとの居間に戻ってしまう。真空管アンプだとヒーターは灯すが高圧電源を途中でOFFにするという羽目になる。
 あのレコードのあのさわりを少しだけ聴きたいということもある。ではCDもあるだろうと思うに違いない。しかし、それはCDではだめなのだ。CDを持ち合わせていないからだ。

 かくして、少しの間だと思うが、システムはFETプリアンプとTRシンプルパワーアンプ3台でマルチ駆動である。スピーカは、そこそこのものだが、ウーファーは手製の箱に2本づつ、シリーズで16Ω、スコーカーとトゥイーターはホーンだ。電源はすべてバッテリーである。TRパワーアンプとAC電源の組み合わせは考えたくもない。必ず2N3055が飛び、スピーカーも飛ぶと思い込んでいるからだ。
 これで、聴きたいときに聴きたいだけ聴く・・・ということが可能となる。オフセット電圧も安定している。プレーヤーも電池駆動だから、停電でも聴ける?。停電時に聞くことはないと思うが、急の停電でも音楽は鳴っていることになる。

 しばらくは、このような状態でおとなしく聴いていることだろう。そのうち、なにか違うぞ、真空管アンプならこんな鳴りはしない。やっぱりあの音が、カチンと絞まった上品な中域、低域の中年太りが解消されたブーミーでない本当の低音が聴きたい。艶やかな高域、バイオリンならすべて名機になってしまうあの高域だ。果たして、もとへ戻るのである。

これを検証というのだろうか。いや、単なる回り道だ。しかし、私の人生だ、ライフワークだ。(2002.06.16)

ところが、このパターンが更にエスカレート。ダイヤトーンP610を持ち出して、このシングルコーンスピーカーのまとまりを久しぶりに聴きなおしてみた。なにかしら普段はこれでいけそうな雰囲気になるから不思議だ。(2002.06.18)

ダイヤトーン P610



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2002.06.16 1版
2002.06.18 lastupdate