これはph7の備忘録

NJM2389F試用記 2021.08.23

このRegは入出力電圧差が小さいことで活用の場がバッテリー電源に威力を発揮する
当方では電源トランスにてヒーター電源を作るのでこのRegの恩恵は薄い
ただAC12V端子の電源トランスしかない場合はありがたいだろう AC12VではLM338等は入出力電圧不足でNG

金田先生は当初1.0AのヒーターをこのRegデバイス1本で賄う計画 しかしサーマルシャットダウン機能が働いてNG 結局この基板を1枚追加したとあったので0.5Aの負荷を分担している いわゆる片ch分の0.5Aを1つのRegで賄うことになる 」 そんな件をどこかで読んだ気がしていた MJ8月号では初めから基板にReg2個載っている
  ※どこかで読んだ気がしていた・・・はNo.270だった



写真 No.278プリ
 左がヒーター電流(396A~0.3A 403A~0.175Aの球2本での電流) 0.1Ω端子間で計測したので10倍する
(単位mA)
 右が12.60Vで電圧
電源トランスは110V入力AC15Vを使った
入出力電圧差 4.21Vあるので 損失 2.07W
①の小さな放熱器では不足 (正確ではないと思うが非接触型温度計では80℃強 チップ部はもっと温度が高い そういったデバイスなのだがいつも気の毒に思う)
②の放熱器2.5×2.5cmでも私ならNG 金田先生はOKだと思う  
入出力電圧差 No.270は2.72Vだ No.278は2.4V強と思う

放熱器はそのままで
電源トランスは110V入力AC12Vに替える
入出力電圧差 1.12V 損失 0.55W では言わずもがな
結果として放熱器は不要となる

とにかく私の場合電源トランスでRegのギリギリ稼働する電圧を設定して使うのが好きだどうも不要な熱を発生させるのはそれこそ損失と考える

なおヒーター遅延回路を模索したがNG 電源ON直後は定格の2倍強の1.2Aくらい流れるがこれが一般的だが球には申し訳ないと思う
特にT1の403Aは最近遅延回路なしでは"パ~ッ"と灯り始めていたから


           ・・・メモ・・・ 独り言

金田先生は 2021.09月号で ヒーター電圧が6.3VとなるようなRHの値は
 403A 6.8Ω
 396A 3.9Ωと記述されている
(これはどの時点の抵抗値?真空管の規格表に載っている定格値はヒーターが十分に暖まった状態でのものだが・・・とすれば以下の②の説明は矛盾する)

 12.60V÷10.7Ω=1.18Aで電源ON直後の突入電流と等しい (はず)
 

①ヒーターが十分に暖まった状態の点灯時の抵抗は、12.6V÷0.492A=約25Ωと推定される これは実測値だから揺るがぬこと
②電源ON直後の抵抗は12.6V÷約1.2A=約10.7Ωと推定されるから点灯時の半分以下ということになる (冷えているときは約7分の1くらいという記述もあり)
しかし電源ON直後の電圧・電流は瞬間的に時間を止めないと的確でないだろうから
この瞬間の推定は逆算で電圧を 4.26V÷約1.18A=約3.6Ω という考えもある そしてすぐに電圧は12.6Vに達し電流は0.492Aで安定する すると点灯時には奇しくも7倍の抵抗値になる

   ※ このメモは未定稿 そのため逐次アップデートしている
    
遅延回路無しで試験時に電源ON直後は室温25℃にて1.2A程度流れる


ここのメモは勘違いがある 2021.09.16
ヒーター電圧が6.3VとなるようなRHの値は
 403A 6.8Ω
 396A 3.9Ωとはこれらのシャント抵抗にて6.3Vがヒーターにかかるということなのでここのメモは無視されたい



○以下はプリ実装のヒーター実測値
 No.278プリ(モノーラル仕様) 全体のヒーター抵抗値 3.6Ω ---A
     

○手持ちの球の実測値
 403A 5.0Ω
 396A 2.8Ω これのパラ接続は1.8Ω さらにシリーズで3.6Ω ---B
この差A-B=0Ω

このICでは遅延回路がうまく動作しないので
今回のテストが終わったらLM338の遅延回路付きヒーター用Regに戻そうと思う ただ338は入出力電圧差が4V近く必要なので損失が大きいのが難点だ ついてはこれに代わる5A程度のゆとりあるICを探しているところだ


LM1084IT-ADJ  2021.09.29
最大入出力電圧差  29V 5A
何かに使おうかとしていた小さな基板があったのでこれにヒーター点火遅延回路も詰め込んでみた
テストでは1Aを流して様子を見たが不都合は無いようだ 3A~位負荷して見たかったが検出抵抗等10ワット位の10Ω抵抗がなくて近々手配してから試してみる というのはこの手のレギュレーターICに紛い物が多いと聞くので実回路に組み込む前にロードテストが必要かと思っている


LM338
16.3Vを入力して12.49Vを出力 入出力電圧差3.81V≒4.0V

LM1084IT-ADJ
13.98Vを入力して12.55Vを出力 入出力電圧差1.43V≒1.5V
なにせLM317と同じピン配置であり遅延回路を組み込んだがキチンと動作する これは有り難いと思った

NJM2389F
 これには敵わないがこれで電力ロスが大分軽減できるし5Aという余裕は安全安心だ さらにLM1084のように遅延回路が動作すれば最高だ 
■主な仕様
・出力方式:シリーズ
・出力正負:正電源
・入力電圧:3.8~35V
・出力電圧:1.5~20V
・最大出力電流:1.0A
・ドロップアウト電圧:0.2V
・許容損失:18W
・リップル除去比(PSRR):65dB
・パッケージ:TO-220F-4

             上図はNJM2389Fデータシートから引用

徒然
3端子のRegは少なくなっている 逆にパッケージ型には0.2Vのドップアウト電圧のものが数多く見受ける TRも同様で時代の趨勢か

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