1994.5.14 於新冠町町民センター 
第1回金田式DCアンプ製作会・講演&試聴会のきっかけとなったラブコール・メールです。お恥ずかしい・・・

サキソフォンのイラスト

前略

 いつだったでしょうか?金田 明彦先生の記事(MJ92年6月号DCパワーアンプ)を始めて見た時の感想です。
「あら、随分と簡単な回路、作って見ようかな?でも、音は大丈夫かな?」
「プリント基板は駄目とのこと、そういう考え方もあるのかな」などと色々なことを思い巡らした経過があります。その時はそれで一応、終わっていました。
それから、しばらくしてのことですが、またMJをパラパラと・・・そうしますと、どうも気になる、気にかかるんですね。DC動作、ネオハイトップが一番、こだわり・・
 そのうち、札幌の書店で金田 明彦先生のオーディオDCアンプシステムの上下刊を見つけました。以前から記事を読んでいると、単に制作記事とか技術解析以上に思想、こだわり、思い入れが髣髴とする・・・。表現の仕方に感銘を受けていました。
 だんだんと心がFETのDCアンプに侵略され、最近遠ざかっていた半田こてを引っ張りだして来て、何か、うずうずとする気持ちを押さえながら、いつしかパーツをリストアップしていました。
 昨年になりますが、秋葉原へ行った時に色々と買込んで来ました。DL103も・・・紙やすりで削って音の良くなることを体験しました。
さて、どの回路で制作するか。結局はオールFETの初心者向きのMJ93年3月号のものに落ち着きました。「撚り線も始めは手の指の汗にまみれて使い物にならない。」・・・本当にうまくいかない。記事の写真を見ると、さすが素晴らしい!きちんと撚れている。
 製作は紆余曲折しながら、なんとか音の出るところまで行きました。フォノ入力専用にして素晴らしい音を楽しんでいます。今のところプリとパワーをロータリースイッチで切り換えて使う様にはしていません。どうも接点が気になりますので・・・
ついては、製作会や講演会をいたしたく是非、北海道の地までお越しください。
云々・・・

・・・というような内容でした。

以下は、先生にお越しいただいてから感じたことです。

私は、金田 明彦先生に対して大変失礼な感覚を抱いていました。今回、にいかっぷに来られたことに関しても、技術的な議論が中心の試聴会、講演会になるかと思っていましたし、参加者の中にも私を含め、その様な方もいらっしゃったかと思います。
 でも、音楽的にどうなのか?とか、
 このオーケストラの音のここはどうなのか?など
 自分の生涯を通じての音楽を持って、常にこれと対比しながら、アンプを求めまた、新たな展開に辿りつく。そして、それは単なる手段であって、目的はマーラーとかショスタコビッチとか、きちんと求めるものが、聴くべきものがある。」というこの感性が、私には非常に新鮮なものでした。

 ところが、この様な感性に辿りつくには、今になって気付いたのですが、現在までDCアンプ程のアンプに巡り合って居なかった不幸な私の人生のせいなのかも知れません。
 レコードの音は、こんな程度と諦めていたこともあって、そこそこの音楽で済まして居たのだと思います。
 

2001.03.23 1版

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