DENON DP-3000修理顛末

DENON DP-3000 \43,000(1972年6月発売)

 DP-3000は、クオーツ・ロック(水晶発信器で高精度に回転を制御)ではないが、回転はなかなか安定している。かえってフォノモータとしてはアナログ的で良いのではないか、このターンテーブルは、当時一世を風靡したが、2SC458の経年変化によるノイズが回転を乱すというトラブルが多いのも事実。大半の不良の原因はサーボ制御が効かず高速回転してしまうというもの。
 現用のプレーヤーもモータはDP-3000であり、今回。調子の良くない方は予備に取ってあるものだが、これがご他聞にもれず、少し時間が経つと回転がずれてきて、とうとう回転数調整範囲を超えてしまう。ならば、2SC458を全部換えてしまおう。
 2SC458(日立 30V 0.1A 0.2W)は7個全部取替え
 2SC1213は1個しか使っていない。これでパワーの石を制御しているようだが、手持ちの2SC458は数個しかなく2SC1213は1個のみだが、あえてこの規格で無くとも良いのでこれを含めて8個すべて金田アンプでは名高い2SC1775に交換し、少しでも音が良くなることを・・・期待。
 2SAタイプやキャンタイプの石、ケミコン類はそのまま手付かずとした。試運転して気付いたのだが、33と45回転表示のランプが両方とも薄目に点灯、回転は45回転にしかならない。33と45回転の切り替えSWが機能しないのだ。33回転SWを押しっぱなしにすると33回転にはなる。回転切り替えSWから基板への配線コードをたどるとQ13.Q14のベースへ繋がっており、この石でスイッチングしているが、2SC1775ではうまく動作しないことが分かった。パーツボックスに温存していた2SC458も足が黒くなっていたが、これを磨いたうえ2SC1775と取り替える。
 これにより、回転の切り替えSWも動作し、回転が乱れる異常も解消された。
 現用のDP-3000は、33回転に落ち着くまでに少し時間(30秒程度)を要する。やはりどこかの2SC458が悪いのだろう。

 2SC458、2SC1213とも32円で入手できるのでメンテナンス用に少しストックするのもどうだろう。
 2SA562TMも32円(30V 0.5A 0.5W TO92 2SC1959コンプリ) 10個で168円 

メタルキャン型のトランジスタが3個使われている
専用ICが1個使われていてIFアンプTA7061AP


458ランクD(hfe250〜500)
1213ランクD(hfe160〜320)

参考
 DP-80 \95,000 1978年
 DP-5000 \68,000 1971年12月
 DP-5500 \88,000 1971年12月

2010.06.30