No.157 真空管DCプリアンプ

  
157にAOC回路付加して、安定動作 元のボディはNo.141だ

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好きなシャーシタイプ真空管プリ 好きなシャーシタイプ真空管プリ

157+AOCは真空管プリのstandard

















 上は、改造後、下は改造前(No.141のまま)





真空管プリアンプ・スタンダード
 北海道in金田アンプ製作会の逸品で15年以上も前のNo.141真空管プリを2台温存していたが、電源は乾電池で、95V・15V・105Vが必要な方式だから、ついついお蔵入りとなっていた。イコライザー初段のEF86ローノイズのものが底を付きそうなため、今回、このプリのフラットフンプ部はそのままとし、イコライザーをNo.208のプリに置き換えることを検討していた。

 事の発端は、現用のNo.157タイプ+AOCが仲間内で相次いで、「ガサゴソ、ゴソゴソ」ハムが発生し、イコライザー初段の球方式はあきらめようとの思いが強くなった。
 No.141の上蓋を空けて・・・、この計画を実現するには、シャーシを半分除去する必要があり、このシャーシの美しさが半減どころか全滅するなあと躊躇。 いずれにしても一度、No.157タイプ+AOCとして動作させたいと思っていた。

改造前(No.141)改造前(No.141)
    左の基板は、ハイブリットでC595等が載っている

黄色のダイエイ配線に1995の製造年が見える
    黄色のダイエイ配線に1995の製造年が見える

 裏蓋を空けて配線を見ると、イコライザーはこのまま使えるが、ATRを追加する必要がある。ATRの0.1μFは橙色の鮮やかなニッセイAPSにし、コンパクト化を図ることにした。(APSも方向性があるようだ。しかし、このパーツの廉価さは群を抜いている。)
 イコライザー部を動作させ点検をするも既定値の60Vと30Vのところが、80Vと40V程度も出ており、当初はATRの誤動作かと思ったが、結局は初段球を取り替えると既定値になった。こんなこともあるのか不可解なことだ。その不良かと思われるEF86球は2段目にでも使えるのだろうか要チェックだ。(T1のプレート特性によるバラツキか?)
 次に、フラットアンプ部は、すべて撤去しソケット周りや基板も含めて作り直さなければならない。残念なことにこの基板のプリントパターンはない。金田アンプの真空管プリシリーズでは、シャーシタイプは前々回で終わり、前回(No.150)から基板に真空管ソケットを取り付けるタイプへ移行しているからだ。(No..145にあったような気もするが、少し異なる。)
 このため、起こしたのが次ぎのパターン(後日修正したい。)だ。それでもソケット周りへの配置が効率的なものはそのようにしているので、起こしたパターンは簡単なものだ。

           イコライザーアンプ 基板配線図
          SE 5PFは真空管ソケットに付ける


 フラットアンプ部にA1967(900V0.01A1.75WCob2.2 pF)を採用しているが、ここまでも高耐圧の素子が必要なのか。それとも電極間容量(pF)の少ない素子が他に無いものなのか。音が良いものが無いのか。A1967は作動アンプにWE420Aを使った頃に出てきたもので400V以上の高電圧に耐える素子としては歓迎したものだが、今はせいぜい200V程度だから、  A1400(400V0.5A10W)ではどうか。音に影響が出るだろうか試してみたい。ここは200V2mA400mWに耐えれば良いのだが、あとはコレクター・ベース間容量の少ないことだ。

 また、A1967は、放熱フランジがシャーシに接触しないか気になるから、フルモールドの素子も探したいところだ。

フラットアンプ部基板
    フラットアンプ部基板

 この基板とAOC基板を組み上げて、配置・配線するのに1日もかかった。AOCは、K170V、D756A(140V0.05A0.75W)とカスケードにC1775Aと思ったが。C1775Aでは少し不安があるのでC3332(160V0.7A0.7W)を採用した。ここは、C2230A(180V0.1A0.8W)が良いのだろうが、残念ながら手持ちが無い。 2.2μFについては製作記事ではニッセイAPSにしていない理由はあるのだろうが、あえて試してみたいも手持ちが無く断念。
 いよいよ試運転だ。何度経験しても緊張する場面である。
 1分で高圧がかかるようにしたがこの1分が長く感じる。高圧もかかり動作したようだが、ECC82のIoが流れすぎであり13~14mAだ。仕方なくフラットアンプ部D756のRsを足した。1.8KΩも追加する羽目になった。ここでこんなはずは無いと気が付くべきだったが、疲労なのか過労なのか老化なのか判断があいまいだ。次にAOCがコントロール出来ないのだが、何枚も作った基板だから配線ミスは無いはずだ。コーヒーブレィクの後、プリントパターンを良く見るとE(エミッター)B(ベース)が逆であったし、過去の製作時に記事に薄く訂正までしてあったのに、気付かなかった。注意力散漫。

 これを修正し思いのとおりオフセット電圧を動かせる。動かす必要も無いのだが、1回転させて電圧の動きと、電流を抵抗体に散らしたいのだろう。半固定VRのやや中央で0mVとなるから、作動アンプに使用したK170V(13mA)は余程ベストマッチだったのだろう。今回は指定のK170BLは手持ちが無くK170Vとしたのだが、これも功を奏した感じがする。ただし、実験的に半固定VRを200Ω(格安品)、50Ω(コパル旧正規品、1回転のもの)として経過を観察することとした。特に50Ωの方はRs抵抗で調整する必要があるかと思ったが、前述のとおりその懸念はまったく無くなった。そのうえ、正規品は時間経過によるふら付きが無くさすがである。一方、200Ωの1個50円程度のものは、時間経過で3mVほどずれてくる。構造がしっかりしていないところに200Ωだからなおさらなのだ。ここが50Ωであればそれなりに落ち着くのだろうと、後の祭りは茶飯事である。

左は、フラットアンプ部基板 右はAOC基板<BR>
      左は、フラットアンプ部基板 右はAOC基板

 ECC82のIoを見ると何も流れていない。やはり追加抵抗は大きすぎた。これを外すと5mA前後で何も無かったような顔をするから意地が悪い。
 いつものことだが、正常で無いところを解決していくと、別の異常も直っていくものだ。結局、一番駄目だったところはどこなのか分からなくなるのだ。
 さて、せっかく完成したアンプは聴かなければ意味が無い。夜中にもかかわらずレコードを一枚。ホテル・カリフォルニアが静けさに一番似合うし、繊細な十二弦ギターに聞き耳をたてよう。どうしたことだろうか、特に選別したEF86でもないのにハムは出ないし、スノーノイズも気にならない。これならNo.208への改良計画は必要なくなる。本当に良い音だと感服し、「ようこそホテル・カリフォルニアへ、ここはステキなところ、お客様もいい人たちばかり…」とメロディーが付きまとい就寝するも興奮したのかなかなか寝付かれない。
 自分で作ったアンプで音楽を楽しめるだけでもすごいことだ。市販のアンプを凌駕する音だからさらに々すごいことだ。金田アンプにめぐり合えて良かった。

No.157は真空管プリアンプの秀作だ
 果たして、このアンプは、No.157タイプ+AOCとして使い続けることになりそうな気配を感じる。銘球EF86は、あと30本くらいはあるだろう。100Vレギュレータに使用してもWE403のように球に手をかざすだけでハウリングはしないEF86は好きなオーディオ球だ。No.157タイプのフラットアンプ部はECC81、ECC82を使用しているため最近の5極管を使用したアンプに比べ珠数を半分に出来るエコも好きである。思えば、ECC81を作動アンプに使用した製作例は、No.157のみである。あと3極管の使用例としては、396があるが、これは終段にも使えるから、No.157 タイプのようにECC81とECC82を用意しなくとも良い。これなら、真空管の適用が広がるというものだから、作動アンプに使えなければ、終段に回せば良い。ただ、イコラィザー初段に使える396は10本中1本あるかどうかだといわれると尻込みしてしまう。
 No.141の残る1台も改造しなければ安心安全の音楽は聴けない。WE717Aが少しあるから、これをイコライザーに充てて、WE717Aの音も聴いてみたい。加工済み躯体があると話は早い。最近は、ケース加工に腰が重いから、この躯体は重宝なのだ。
 トラブルはつきものだ

上は、フラットアンプ部基板 下はAOC基板
       上は、フラットアンプ部基板 下はAOC基板


 AOCの半固定VRの接続ミスがあった。参照したパターンは半固定VRを基板に直付けしないリード線方式だから、配線パターンが違うのだ。これをチェックせずに組んだため異様なことが起こっていたのだ。それでも調整範囲におさまり、みかけ上のAOC動作をしていたのだ。なんともおかしくて、ひとりで笑ってしまった。

2台目の改造にとりかかる
 イコライザー基板にはATRも同居させた。ニッセイのAPS 0.1μFのおかげでコンパクト化され同居可能となった。しかし、Lchが既定値の60Vが68V位になりReを50KΩ追加しても数Vしか下がらない。登載の6.8MΩの誤差と思い測定するも、既定値にかなり近い6.85 MΩだった。ならばと6.75 MΩにして見るも65V程度までに低下するだけ。やはりReで調整しようと47KΩを追加したら62Vとなった。なお、Rchは一発で61.5Vとなったので、6.8 MΩ部の測定はしていないが果たしていくらなのか気になるところである。これだけの誤差が出たのは今まで初めてだが、なにしろ6.8MΩ10%誤差製品なので仕方ないといえばそれまでだが。このように配線したまま抵抗を換えたりするにはATRの基板同居は辛いものがある。ATRは別基板に用意した方が調整作業には向いている。配線を短くしてATRの効果アップを狙うかメンテナンスを重視するか迷うところだ。

イコライザー基板に付加したATR部
      イコライザー基板に付加したATR部

許容範囲について
 過去の自己データがある。6.9 MΩと750KΩ=58V、6.9 MΩと725KΩ=60V。しかし、掲載記事によりこの辺りの抵抗値は大きく推移している。6.8 MΩは変わらないが、No.150では820KΩ+30KΩ(60V調整用)、No.184では680KΩ+47KΩ、No.205では510KΩ+220KΩであり、727~750KΩの間の抵抗値の組み合わせに設計製作者もデバィスの誤差で苦慮していると見える。また、IoもAOCが付くと0.1mVと模範解答のようで読者にプレッシャーがかかる。No.157は、AOCが登載されていないので6.4mVとなっているが、この程度のIoで許容されるのだと安堵する。AOCがかかっても±5mVが理想で±10mVは許容範囲であると、どこかで読んだので、あまり細かいところは気にしないことだ。
 ATR出力の規定値は30Vだが、果たして許容範囲はどうなっているのか気になるところだが、最近になって、「T1のプレート特性によってかなり広い範囲になり、+22~+35Vなら問題ない。」とのことである。
 また、既定値60Vの許容範囲も明らかにされたが、「60V±2V」だ。(以前は「60V±1V」だった。)
 色々なところに許容はあり、その許容値が変わることもあるが、寛容さも大切だ。あらかじめ明示されると気が楽になるものだが、自分で探し当て自分を自分で許容する喜びがアマチュアの世界だ。
2010.10.20
 
 No.141真空管プリアンプ2台目の改造も順調に推移し、あとは球のエージングを施し細部の調整をすれば良いところまで漕ぎ着けた。使用抵抗はイコライザー・フラットアンプ、AOCとも良い音への期待を込めてすべて進としたが、そろそろ進も底を着く。
2台目こそは、と2SA1967より一回りスモールな代替品を探していたが、コレクタ容量(Cob)の少ないデバィスが見つからずA1967のままになっている。

AOCの使用パーツ
 AOCの気に入りプリントパターンは、No.166だ。15穴×5穴の細身でプリアンプのシャーシ面、前後に振り分けて配置するのに最適の大きさである。ローパスフィルターの2.2μFをAPSに変更出来れば、よりコンパクトになりシャーシ下に納めることが可能と思う。
200Ω半固定は指定のものが無く、昔良く使った回転のスムーズな青いコスモス製を採用した。
2SK170はVランク13.1・13.2mAの各ペアとした。カスケードは適当な手持ちが無く2SC3332を使用(2SC1775Aでは耐圧が心配、2SD756Aではもったいない。)

AOC基板
      AOC基板

 フラットアンプのIoは5mAに設定、ただし、定電流の3KΩのところは、2.7KΩとしたため10mAも流れすぎるので500Ωの半固定VRを追加した。Ioは5mA設定時の半固定の抵抗値は270Ωと470Ωとなった。これなら、はじめから3KΩで良かったのかもしれない。オフセット電圧はスムーズに調整できるし問題ない。1発でここまで到達できるのは珍しいことであり、なにかかにかトラブルがあるものだ。
改造プリアンプを繋ぎ、レコードを聴こう。ここのところハンダこてとの付き合いばかりで、ゆっくりと音楽を聴いていない。

トラブルはつきもの
 しかし、音量VR最大でミューティングSWをoffにするとONで+5mV程度だったオフセット電圧が、一瞬、+20mV程度出てはすぐに治まる。VR最小でも+7~8mVは出る。いままで気にしていないだけに1台目、あるいは他の真空管プリアンプはどうだったか不安になった。
思い当たるのは、outputのスケルトン抵抗100Ωの手持ちが無くて、50Ωを使ったことだ。こんなところで影響が出るものなのか。(出る筈が無い。)
少し時間を置いて細部チェックを行う。どうも発振しているような気がする。ラジオを聞きながら調整しているので、ラジオに発振らしき雑音が混入したので、オシロで観測すると案の定だ。

ヒーターアースは大切
総点検の羽目になった。テスターだけのチェックは、いとも簡単に終わったので何か出るとは思っていたが、発振源がつかめない。そろそろ就寝と思ったそのときヒーター電源の配線を見るとヒーターアースが繋がっていないではないか。つまりヒーター回路のアースと他のアンプ回路のアースが共通になっていないのだ。今回の改造は、1台目と異なり配線を全部撤去しているので、イコライザー部の近くで片チャンネルのみヒーターをアースしている部分も撤去したのを失念。

ハンダ不良
もう1箇所、接続不良があった。真空管ソケットのピンと7本拠り線のハンダ不良である。絡げハンダは好まないため、ピンの穴に差し込んでおいてハンダを乗せる。これだけで十分な強度はあるのだが、今回はイモハンダというよりも、薄氷のようにハンダを乗せたつもりが、実はハンダをしていなかったのだ。視力も洞察もついて行ってない。思い込みだけが先行する。差動アンプの真空管をつまんで動かすと、差し込んでおいた線が繋がったり外れたりしていて発見されたのだった。そのたびに、動作点が大きく動くのである。しかし、この状態で一度、パワーアンプを繋ぎヒヤリングをしているのだ。くわばら_くわばら。

真空管ソケットのピンへのリード線処理真空管ソケットのピンへのリード線処理
改修が頻繁の場合は、このようにしなければスムーズにできないからだ


電源不足
このNo.141を改造してNo.157タイプ+AOCにしたものが2台と、現用の真空管プリアンプ(No.145改造)が1台の計3台となったが、困ったのは電源が1台しかないことである。現用の電源はTS-150で、80V-0-80Vにそれぞれ6.3Vのヒーター用端子の下駄を履かせて使用しているため、イコライザー部のレギュレーターを+105V、+95Vに設定している。フラットアンプ部には±125V程度が確保されている。整流管を使用しないためこれで十分であり、300V用端子は遊んでいる。
2010.10.21

気もそぞろ
 フラットアンプ(差動アンプ)のECC81(12AT7)はパンチがなく、WE396Aを勧めるといわれたら「そうか」と頷いてしまう。しかし、音を聴いたことがないのだから「そうかな」で止めて置けば良いものをNo.141を改造したNo.157+AOC改造アンプが2台あるなら1台はそのようにしてみたい。まてよ、昨夜は、少し手持ちのあるWE420Aを差動アンプに使うのはどうだろうと考えたばかりだ。だが、300Vもの高圧が必要になるし、最初の実用的なシャーシ式の真空管プリアンプは、No.145でありWE420Aの音は聴いている。だから、WE420Aは没にしようと決めたばかりだった。

 今朝になってWE396Aの誘惑が始まった。3極管の回路を見ると差動アンプに使えないだろうかと、解説に目を落とす。WE396Aは、対称的構造であり、我こそ差動アンプのために生まれ出て、見やすく分かりやすく美しい。それに追い討ちをかけるように、ECC81(12AT7)はパンチがないとの3文字が強烈に訴えだすと、昨夜のアートペッパーも力強さに欠けていたような気がする。
 WE396A(2C51、5670W)のように、同等管もあるということは、安くて気に入った球(音)を選べる選択肢が多いことから、楽しみも広がるというものだ。差動アンプは気楽に差し替えしてAOCで調整すれば球のバラツキは問題ないが、出力段はそう簡単にはいかない。球のバラツキでIoが結構動くから、Re調整抵抗を取り替えてIoを適正値に設定しなおす手間が出てくる。

項目 2C51/396A 5670W
ヒーター電圧 Eh(V) 6.3 6.3
ヒーター電流 Ih(A) 0.3 0.35
最大定格
プレート電圧 Ep(V) 300 300
プレート損失 Pp(W) 1.5 1.5
プレート電流 Ip(mA) 18 18
ヒータ・カソード耐圧 Ehk(V) 90 90
動作例 特性
プレート電圧 Ep(V) 150 150 150
プレート電流 Ehk(V) 8.2 8.2 8.2
グリッド電圧 Eg(V) -2 - -10
カソード抵抗 Rk(Ω) - 240 240
相互コンダクタンス (mA/V) 5.5 5.5 5.5
増幅率 μ 35 35 35























改造1台目のシャーシ裏
      改造1台目のシャーシ裏、フラットアンプ部は未了

2010.10.22

 
残骸 No.141真空管プリアンプ、4台の基板の残骸



















 思えば、No.141真空管プリアンプは、4台の基板を解体しNo.157に改造したのだ。C959やSE5PFが載っている。イコライザー基板は、流用したので写っていない。EF86もあと2台分はどこかのパーツ箱に分散している。
 この当時は、記事どおりにパーツを集めて音の検証を。今は、出来だけ代用品でどこまで良い音が・・・ということに意を注いでいるような心の移り変わりは何なのか。
2010.10.23


  指定外パーツによるAOC

AOCのローパスフィルター2.2μFをニッセイ電機MMT2.2uF/50Vに替えた
AOCのローパスフィルター2.2μFをニッセイ電機MMT(メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ)2.2uF/50VJランク品(誤差5%)に取り替えた。聴感上もAudyn-capと変わらない。オフセット電圧の安定にはコンデンサーが馴染むまで少し時間がかかる。馴染むとAOCは非常に安定し、±1mVに納まる。
ハンダ付けは元の配置穴に納めたが、そのうち短くしよう。

 中央はニッセイ電機MPE2.2uF/250V
中央はニッセイ電機MPE(メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ)2.2uF/250V、今回は一番小さいローコストMMTを採用した なんとなくキリリとして好ましいと感ずる。
2010.10.24
 
巡りあわせ
 パーツとの巡りあわせというかタイミングというものがあって、その良さを何となく見過ごしている場合もあり、相当後になってから使い出すことがある。
 まさか、こんなにも安価なパーツが、何事もないように、すらりと良い音を出す。良い音というのは語弊があるが、色付けのない音を出すのである。パーツによって特異な音が出るのは避けなければならない。
 価格で安心感を買う場合もあるが、安くても安定感を買えるのだから、アンプ作りは楽しく奥が深いと思う。
 今回、AOCのローパスフィルターに使用されている2.2μFのフィルムコンデンサーをAudyn-CapからニッセイMMTに換えたが、聴感上の違いはさほど分からなかった。少し荒さがあるかなと思うも、TRのエミッターに制御をかけているのだし、体調かげんで受け止め方が違ってくるので、少し聴きこむ必要がある。
 このようなところに使うコンデンサーは、外部からの熱やノイズに影響されないように出来る限り小さいものが有利なのだろうか。
 比較的高く大きなサイズのAudyn-Capよりも、かなり安く「小さな青い子悪魔」のようなMMTの方がAOCコントロールを安定させるようだし、音も遜色がなければ言うことはないが、すでに生産していないと来た。「何とかは薄命」のごとし。
 何れにしても0.1Hz程度の信号を検出してコントロールしているから音に対する影響は考えられないのだが。
2010.10.27


2020.05.24
AOCのフィルターコンデンサを替えてみる

2.2μF 820kΩ=0.088Hz
0.25μF 5350kΩ=0.119Hz
①上段はニッセイ電機MMT2.2uF
②下段はロシア mil オイルペーパーコンデンサ 160v 0.25μFによるものの数値








今回わけあって②に取り替えたが音への影響は?なお当然のことだが取り替えによる半固定ボリウムの再調整は不要



方向性

ミリバルをあてコンデンサーを指で挟む 計器の針の多く振れた方が信号側△に繋ぐ

下の2種類のコンデンサーの方向性を調べたが一定していない 後からプリントするときにバラバラに印字したのか
あるいは始めから方向性を一定に決めていないのか

下の
上図はロシア mil オイルペーパーコンデンサ 160v 0.25μF 上5つは左側 その下の7つは右側がホット
下図はロシア mil スチロールコンデンサ 250v 0.12μF 上3つは左側 その下5つは右側がホット


今回AOCのフィルターを替えるのとあわせてカップリングコンデンサーをV2A1.0μFから0.12μFのスチロールコンデンサにした


ユー・ルック・グッド・トゥ・ミーを聴いた
今までこの曲の1分辺りのところでベースが「ブルーン」と入るのだが何とも締まりのない音だった AOCのフィルターコンデンサの効果だと思うがきっちり輪郭が見える音に変わった まさかAOCのパーツで音が変わるとは思っていなかった
以前にREGのパスコンをOSコンデンサーに替えたら音が良くなったときのことを思い出した パスコンでさえ変わるのだからフィルターコンデンサは言わずもがな