FET DCパワーアンプ(No.130)修理顛末

修理顛末  とあることから頼まれて、なつかしいFETパワーアンプ(No.130、電源は±30V)の修理をすることになった。既に10数年は経過したものだが、動作はする様子。オフセット電圧はスムーズに可変できる。さて、終段にいかほどの電流が流れているのか?何のためらいもなく記事のとおりというか、いつものように10Ωのスケルトン抵抗の両端の電圧で判断することにした。すると、20~30mAしか流れていない。可変VRを調整しようにもこれ以上は回らない。さては、2N5465のIdssが極端に低いのか。ならば取り替えるまでと、手持ちのIdss10mAのものと換えると3時の方向で100mAとなり、このあたりで収めることとした。

 さて、音楽を聴こうとして、10Ωの抵抗を外し暫くすると左CH(2sJ50)が熱くなってきた。右CHはさほどでもない。抵抗を外し電流計(max300mA)にすると、パチンといってメータの針が振り切った。右はというと、300mAに近かった。そういえば、昔も同様の経験がある。いや、まったく同じ型のアンプで・・・学習能力という言葉は消えうせる年代なのだろうか。今度は基板とアンペアメータの間に10Ωの抵抗を入れた。このときの抵抗両端の電圧は、59mA(590mV)まで落ち込む。そのときアンメーターは50mAを指していた。※あとで分かったことだが、テスターの電池(006P)が消耗していて電圧を多めに表示していた。電池を換えるとテスターの針は50mA(500mV)をさした。

 やはり、抵抗の弊害はあったのだ。先日は、0.1Ω(福島双羽MPC74)の抵抗で計測したことを忘れたというか、うっかりして10Ωを使い、余計な時間を費やした。0.1Ωの精度にもかかっているが、手持ちのもので十分であった。かくして、基板とアンペアメータの間に0.1Ωの抵抗を入れて計測すると抵抗の両端の値とアンメーターの値とが合致した。アンメーターを外して暫く使うとまた、左CH(2sJ50)が熱くなってきたが、以前ほどではない。仕方なく、さきほど使用した0.1Ωの抵抗を介して+30Vを印加することで落ち着いた。

 このアンプは、音量が可変方式となっているが、この30kΩの2連VRを外して、そこにスケルトン抵抗3.6kΩを付けた。既存の1.2kΩのスケルトンはそのままにしてここへ付け足したから、計4.8KΩとなっている。6kΩ近くにすると、もっとパワーがあるのだが、とりあえず・・・である。

 入力は2系統あって、10kΩのシリーズ抵抗を介して、30kΩの2連VRで入力電力を加減している方にCD(コンパクトディスク)を繋いで聴いた。こうして聴くとCDもまんざらでもない。さらにクォリティーを求める輩には、ラインアンプで加減する方式を勧める。

2007.03.03

No.130の居場所

 これと同じアンプは当リスニングルーム・モノラルシステムのパワーアンプとして稼働中。完全対称型でないため使用は避けていたが、他に気軽に使用できるパワーアンプがないため使用したが、なかなか良い音でモノラルスピーカーを鳴らすではないか。アルテック604E+ゴトーホーンのツィターを1.5khz、8khzクロスの金田式ネットワーク+DL-102で鳴らすのだが、パワフルである。やはりウーファーは38cmに限る。音圧が違うのである。
 このシステムもマルチにしようと考えているが、パワーアンプが足りないので今すぐにとはいかないが、中高域はNo.192のパワー部と決めてある。低域はステレオシステムで稼動中のNo.159があるからこれを回せば足りる。ステレオシステムの空いたところはNo.140の6C33C-Bで埋めるという寸法だ。

2010.8.24